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【開催中】髙島屋美術部創設110年記念 人間国宝鈴木藏展ー造化にしたがひ、自然にかへれとなりー

2018.09.27

皆さん、こんにちは~♪♪、美ギナーです。

今週の画廊は髙島屋美術部創設110年記念の一環として人間国宝・鈴木藏先生の作品をご紹介させていただきます。

先生は1934年、岐阜県土岐市に生まれ、この地で焼かれた志野に取り組んでこられました。
制作当初から、桃山陶芸の原点を踏まえながらも、古陶の形式に拠り所を求めることなく、「現代の志野」を生み出す姿勢を貫いておられます。

1960年代後半にはそれまでの薪や石炭、重油に代わるガス窯での焼成を成功させ、自らの創意溢れる作品を次々と発表し、1994年には「志野」の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

では、作品の一部をご紹介させていただきます。


『志野茶碗』

日本独自の焼物である志野。その本質を真摯に探究し続ける先生の作陶の根幹には、移り変わる自然とのかかわりを大切に
しながら生きてきた日本人の感性や美意識を再認識して表現するという高い精神性が感じられます。



『志野茶碗』

「志野は非常に面白い。」と先生は仰います。
例えば、赤土に白化粧を象嵌したり、鉄絵の変化、削ぎ、継色絵、スリップウェア、赤地に白の流し掛け、印花など、鼠の地に白い化粧のようなものをかけるなど、志野になかったいろいろな新しい方法に挑戦されたそうです。

こちらの作品は、もぐさ土を使い、5~6色の釉薬を使い分け、その都度、電気窯で焼成し、このようなモダンでデザイン性の高い志野茶碗を制作されました。

因みに「もぐさ土」というのは美濃地方で出るもので一次粘土だそう・・・
一次粘土は、地中からマグマが吹き上げてきていたものが長い期間をかけて粘土になったとか、地中にあった花崗岩が
永年かかって粘土になったとか言われるそうですが、出る量は少ないそうです。



『瀬戸黒茶碗』

今回の個展では、瀬戸黒茶碗も出品していただきました。

凛とした静けさと力強さを感じさせる作品です。

今回の展覧会に向けて、約2年の歳月をかけて制作された先生・・・
1年に4回以上、窯炊きをされ、1回の窯では70点ぐらいの作品が入るそうです。
そのなかから残すものは10~15%ぐらいだそう・・・



『志野陶塑』 65.5×49.5×49.0

今回の展覧会では2点の陶塑(花器)を出品していただきました。

こちらの作品は、山をイメージして制作されました。
基本的には山であったり川であったりするそうですが、直接関係はありませんが、発想は漢字から来ているそうで、
いろいろな漢字を見ていると面白くて、そういうものから少しずつヒントを得ながら考えられた作品だそうです。

そして、使用しているのはもぐさ土ではなく、特別な土を使っていらっしゃるそうです。
花器は無垢のものを作って、それを三段に輪切りにして内側をくり抜きます。
それで、最中の皮みたいなものができ、それを重ねて繋ぐそうです。

作品の上部に移しますと・・・


真ん中の部分で、花を生ける水を溜めていただきます。

そして、画面からは分かりにくいですが、小さな穴がいくつか開いていますが、それは水を抜くときに逆さにすると上の方も空洞になっているので、上にまた水が戻ってしまうので、水抜きの穴だそうです。


書『斬(ざん)』

今回の展覧会では8点の書を出品いただきました。

『斬』とは、"すべてのしがらみを断つ”の意だそうです。
全て、禅の教えから引用された書です。

そして、サブタイトルにある"造化にしたがひ、自然にかへれとなり”は芭蕉の「笈の小文」からつけられました。

9年ぶりの開催となる今回の展覧会では、品格と力強さを併せ持つ志野茶碗を中心に、瀬戸黒茶碗や花器、
今展のためにご揮毫いただいた書も加え、新作の数々を一堂に展覧しております。

ぜひ、この機会にご高覧くださいませ。


<略歴>
1934年 岐阜県土岐市に生まれる
1961年 第8回日本伝統工芸展 NHK会長賞受賞
現代日本陶芸展 朝日新聞社賞第一席受賞
1962年 チェコ国際陶芸展 グランプリ受賞
1964年 自宅にガス窯を設置して志野の研究を本格化させる
1967年 第14回日本伝統工芸展 日本工芸会会長賞受賞
日本陶磁協会賞受賞
初個展 「鈴木藏陶芸展」を東京日本橋髙島屋にて開催
1968年 「現代陶芸の新世代展」招待出品(京都国立近代美術館、東京国立近代美術館)
第6回朝日陶芸展の審査員となる
1971年 毎日新聞社主催第1回日本陶芸展に推薦を受け、《織部花器》を出品
1972年 第19回日本伝統工芸展の鑑査員となる
1981年 日本陶磁協会賞金賞受賞
1987年 昭和61年度芸術選奨文部大臣賞受賞
岐阜県芸術文化顕彰
岐阜新聞文化賞受賞
1990年 多治見市虎渓山町にて築窯 この窯であがった日本伝統工芸展出品作《志埜茶盌》が文化庁買上げとなる
1994年 重要無形文化財「志野」の保持者に認定される
1995年 紫綬褒章受章
2001年 日本経済新聞社・中日新聞社共催「志埜ー人間国宝・鈴木藏展」(髙島屋・東京日本橋/大阪/京都/横浜、
松坂屋美術館で開催)
2005年 旭日中綬章受章
第1回現代の茶陶展 大賞受賞(菊池寛実記念智美術館)
2009年 「不二の志埜ー人間国宝・鈴木藏展」(髙島屋・東京日本橋/京都/米子/ジェイアール名古屋/大阪/岐阜/横浜)
2010年 第3回現代の茶陶展 優秀賞受賞(菊池寛実記念智美術館)
「流旅転生ー鈴木藏の志野」(菊池寛実記念智美術館)
2015年 「人間国宝二人展」-やきものとおりもの 鈴木藏・北村武資ー(和光、名古屋松坂屋、京都髙島屋)

人間国宝 鈴木藏展
ー造化にしたがひ、自然にかへれとなりー
2018年9月26日(水)~10月2日(火)
最終日は午後4時閉場

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大阪店6階西ゾーン 美術画廊
直通電話 06−6631−6382
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