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土岐千尋 木漆工芸展、始まりました!!

2018.10.11

皆さん、こんにちは~♪♪ 美ギナーです。
今週の画廊は2回目の開催となります土岐千尋先生の作品をご紹介させていただきます。

土岐先生は1948年宮城県にお生まれになり、1971年武蔵野美術大学デザイン科を卒業後グラフィックデザイナーを経て、1974年に木漆工芸における初の人間国宝になられた黒田辰秋先生の内弟子として、三年間、漆の勉強をされました。

先生は、発案から最後まで自分で手がけることが大切であると考え、分業が一般的な木漆工芸の世界で、唯一最初から最後まで一貫作業をなさっておられた黒田辰秋先生に師事されました。

ご自身が作りたいものしか作らない、用途のないものは作らない、そして独自の形があり、それを表現できる木を探されるそうです。
木工と出会った頃はアイデアが出なかったと仰る先生ですが、ご自身がグラフィックデザイナーをやっていた頃の原点に立ち返って考えた時、感覚やアイデアがどんどん沸いてきたそうです。

何でも目に入り、何でも参考にされた先生ですが、彫刻や美術からインスピレーションを受け、アートから刺激を受けられました。

では、早速、作品をご紹介させていただきます。


30『﨔四ッ角付楕円盛器』

先生の作品は割れや変形を防ぐために6~7年乾燥させた木を使い、刳り貫いて造形し、採取したままの生漆を塗っては拭く「拭漆」の工程を20数回繰り返し行い、その間に6回は研ぎだします。

先生の作品のほとんどは刳り貫いて造形する技法を使っていらっしゃいます。
刳り貫くことで先生がイメージしたそのままの形を作り出すことがで出来るんだそうです。

そして、作品の木目にご注目ください!!
このように際立った木目と深い艶を生み出すことが出来るのです。
その美しさにうっとりする美ギナーです。


左 23『栃分銅形小箱』 右 19『栃分銅形三段重箱』

「小箱を作ったら大きな重箱も出来るんじゃないかと思って作ってみました。」と笑顔でお話される先生です。

「柔らかなフォルムはデザイナーの視点を持った工芸家ゆえに用途があるものを作りたい。」と先生は仰います。
そして、どんな形であっても箱である限り、"モノを入れる”という用途があるのだとも…

先生は、制作される際、先に粘土で立体を作り、形が決まったら綿密に設計図を引かれるそうです。
曲線は厚紙の型を使って調整し、最後は指の感覚で確認して仕上げられます。

自在に表現することをテーマに頭に浮かんだイメージをひたすら形にしてこられた先生…
「僕の作品は形ありきなのです。」と力強くお答えいただきました~。


11『栃八角波寄形箱』

こちらの作品は何と!八角形に仕上げていらっしゃいます。



「木の性質から中央に向かって縮んでいくのでその時に一角を合わせて出来たと思っても時間を置くと合わなくなっていくのです。」と先生は仰います。
そんなご苦労を微塵も感じさせず飄々とお話される先生です。

蓋の合わせの箇所は一分のズレもないその確かな技に画廊にお越しいただいた多くのお客様からも感嘆の声をお聞きしました。


2『梻十二線彫箱』

こちらの作品は組んで制作されており、"指し物”という技法を使われています。

四角い箱は多くの工芸家が制作していらっしゃいますが、組んでから造形すればそれが「土岐作品」の真髄になるのです…

そしてこの部分ですが…


このように四方を組んでいます。
この形になるためには

更に…


先生手作りのお見本ですが、木と木の部分は一方にしか組む込みが出来ないように作っていらっしゃいます。
この技法で上記の作品を制作されています。


34『栃四ッ角眼形銘々皿』

「単純なモノの方が難しい、その中でいかに独自性を見出すことが出来るのかが大切なのです。」と先生は仰います。


29『マーブルウッド稜線取手盛器』

国産の"木”に拘らず、デザインを重視したこちらの木は南米産樹木のコブの部分を使用されています。
葡萄の房のような木目が新鮮ですね!!

「出来るだけ直線を使わず、そして柔らかいだけでなく、緊張感を出すために稜線を作っています。」と先生は仰います。
独創的な作風と造形力に富んだ《土岐作品》を是非、ご高覧くださいませ。

土岐先生は毎日、在廊されます。
制作に関わる楽しいお話もお聞き出来ますよ~。
皆様のご来廊を心よりお待ちしております。


<略歴>
1948年 宮城県に生まれる
1971年 武蔵野美術大学産業デザイン科卒業
1974年 重要無形文化財保持者(人間国宝)木漆工芸家 黒田辰秋氏に師事
1990年 英国ヴィクトリア&アルバート美術館に梻(たも)拭漆大箱買上げ
2015年 髙島屋大阪店にて個展
各地で個展・二人展開催、グループ展参加
現在 長野県茅野市在住

土岐千尋 木漆工芸展
2018年10月10日(水)~10月16日(火)
最終日は午後4時閉場
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大阪店6階西ゾーン 美術画廊
直通電話 06−6631−6382
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