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奥西希生 彫刻展

2019.06.20
皆様こんにちは、美ギナー おもち です。

ギャラリーNEXTにて現在開催中の
「奥西希生 彫刻展」
をご案内いたします!

奥西先生は1979年神奈川県鎌倉市にお生まれになり、
2006年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了されました。

展示の見所はずばり!
作品に込められたストーリー漆による陰影です!

早速ですが、作品とともにエピソードをご紹介いたします☆


「鳳凰」土紋、金箔、桂

この「土紋(どもん)」とは鎌倉仏師独自の技法で、
土や漆などを混ぜて型で抜き、刺繍の文様を半立体の装飾で表現したものを指します。
室町時代以降造られていないため「幻の技法」と呼ばれています。

かつて、明治の廃仏毀釈によって仏像を彫ることを禁止された鎌倉仏師は、
鏡など日用品に「鎌倉彫」を施すことを生業としました。
その結果、仏像を彫る技術そのものが失われたそうです。

奥西先生は10年以上試行錯誤を重ね、研究者にお墨付きをいただくところまで土紋を再現されました。
実物を見て、資料や写真からの手探りだったそうです。





「水晶飾華象」(すいしょうしょっかぞう)楠、漆

作品の前を通るお客様がかなりの確率で二度見をしてくださるほどのインパクト!
上に乗せているのは直径20cmを超える大きな人工水晶です!

地面を踏みしめる太い脚や重厚感のある装飾から醸し出される雰囲気に、
なんだか手を合わせたくなります…(-人-)




左「狛犬」右「獅子」楠・漆

二体とも、首の部分を中心に渦を巻いた毛が表現されています。
この部分の彫りは特に、漆を塗ると埋まってしまうことを計算して深く削ったそうです。
その溝に漆が溜まり、陰影をつけることで立体感と躍動感がより強調されています!

奥西先生は作品に使用する木を丸太で買い、ご自身で寝かせて管理されています。
川の水での灰汁(あく)抜きや、屋根のしたで風に当てることなど、
「木を見る」という過程をとても大事になさっています。

誰かに任せて調達する木は、表からは見えないどこかに思わぬ穴があることも…

現在作品になっているのは、20代のころにアルバイトで貯めたお金で買った材料が中心になっているそうですが、
おじい様のつかっていた木を使うこともあるとのことでした。
たとえコストがかかっても、しっかりとご自身で目利きをして、
手をかけて乾かされた木は、大きく割れるリスクは少なくなるそうです。




「観音菩薩立像」檜、漆、金箔

なにかを語りかけたのち目を閉じ、その先の答えを探しているような表情…

南宋画という仏画をもとに制作されていた鎌倉仏は、豊かな表情や動きが特徴だそうです。
さまざまなお話が浮かんでくるような作品です♪





左「Maneuvers 卯」右「Maneuvers 亥」楠・漆

「maneuver」は「作戦行動、機動行動」を意味する言葉です。
また、チェスにおいては、自陣で駒を動かして配置を変える「マヌーバリング」という戦法があります。

チェスの駒に投影された干支の動物(=神)は、知能をつかさどる作品と言えるのでは。

日々さまざまな決断に迫られている方、
組織を取りまとめる責務を感じている方、
こちらをお守りにいかがでしょうか~♪





「鼠不知火」

こちらの作品は、古事記をもとにしていて
火に囲まれた神を鼠が穴を掘って逃がした、というお話があり
「鼠と火」というのは、とても縁起が良い組み合わせだそうです!




「天道柿」(てんとうがき)檜・漆

ふたつぼしテントウがちょこんとかわいらしいです♪




「壽紋面中次」(じゅもんめんなかつぎ)

ここまで、木彫のなかでも置物を中心にご紹介しましたが、
お棗の登場です。

奥西先生は、木だけでなく、漆の扱いにも長けていらっしゃいます。

漆の扱いに関しては、おじい様が漆の塗師なので小さいころから親しんでいたそうです。
中学生になったころには「なんでも一通りできる」ところまで!!まさに英才教育!

「小さいころから漆をご飯に混ぜて食べさせられていたんです。だから素手で漆にふれてもただれません。」
という驚くべきエピソードが…!!!!
「漆を扱えないなら、跡は継がせられない」という理由だったそうです。

「くさいし、おいしくないし、嫌だと思っていた」
そりゃあそうだと…思います…!
おじい様ご自身が漆に弱い体質で、幼い孫には将来同じ苦しみを味合わせないように、という意味もあったそうですが
「従兄弟のなかでも一人だけだった」のは、なにか光るものを感じていらっしゃたのでしょう~

生の漆がどんなものか(果たして人が食べていいものなのか)をお話から想像して、
恐々とお話をうかがっていた美ギナーでした~…
(もちろん、絶対、真似をしてはいけませんが!)



伝承を基にしていたり、縁起が良いものや願いをこめられた作品が並ぶなか、
パワーみなぎる展覧会となっています♪

ぜひ皆様の御来廊をお待ちしております。



奥西 希生 彫刻展
6月19日(水)→6月25日(火)
最終日は午後4時閉場
ギャラリーNEXT
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大阪店6階西ゾーン 美術画廊
直通電話 06−6631−6382
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