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彦十蒔絵 若宮隆志展-あそび心の蒔絵展-

2021.09.15
皆様こんにちは!
美ギナーおもちです。

若宮隆志先生をご紹介いたします。

彦十蒔絵 若宮隆志展
-あそび心の蒔絵展-

会期:2021年9月15日(水)→9月21日(火)
※最終日は午後4時閉場
※営業日、営業時間は変更になる場合がございます

若宮先生は、1964年石川県生まれ、1984年塗師屋に就職し輪島塗の製造販売の基礎を学ばれました。
1988年喜三誠山氏より蒔絵技法を教わり、1998年平澤同和氏より乾漆技法や漆芸の基礎を教わります。
漆掻きと漆木の植樹を始め、現在国内外で展覧会を多数開催されご活躍されています。

個展は2回目、前回は2018年でした。
前回のブログはこちらからご覧ください♪

個展のタイトルとなっている「彦十蒔絵」とは…
若宮先生が率いる漆器制作の工房の名称です。
(ちなみに…名付けは、あの晴明神社!後述しますが、若宮先生は「宇宙」について陰陽思想も取り入れて意匠を生み出しています。)
元来、漆器の制作には作品の精度・コスト・スピードを鑑みて、工房制が取り入れられてきました。
大まかには素地→塗り→加飾という工程で、それらをさらに細かく分業した13もの工程があり、それぞれに専門の職人さんがいます。
職人さんたちは、自らの特性を活かし働いていらっしゃるそうです。

若宮先生は、プロデューサーとして指揮を執り、2004年に「彦十蒔絵」として活動を始められました。
当時は30代を中心に、とても若いメンバーが集ったそうです。
時が流れ…今また若手を積極的に採用し、新たな世代の育成にも取り組んでおられます!

若宮先生の制作の根源は「漆芸を通じて文化を後世に引き継ぐ」ことを使命としています。
日本人のアイデンティティやユーモアを大切に、
作品にも古来の風習や先人の知恵が随所にちりばめられています。
モノとして受け継ぐことによって、培われてきた文化も伝えるべく、「由来」「縁起」が込められています!
「縁起物は、心の薬になるんですよ」と美ギナーへの解説で何度も繰り返し語っておられました。

では、写真とともに作品に込められた願いもご紹介していきます♪




「鳳凰蒔絵」
使用しているのは、人工オパールです。
ここまで鮮やかな青色は、螺鈿を使っても出せないそうで、
人工オパールと青漆が合わさってこその、この輝き✨✨✨✨
工房では作品として発表に至るまで、1年以上研究が重ねられたそうです。
大変なご苦労の上に新たな素材を取り入れられているんですね…
モチーフの鳳凰は「君子が現れ、太平の世となったときに舞い降りる霊獣」のひとつとされています。
(大河でおなじみの麒麟も霊獣です。鳳凰は青桐に舞い降り竹の実を食べる、というのも有名ですよね~)




「若冲鳳凰蒔絵」
上の画像(図録撮影時)では留守だった鳳凰が…
撮影後に描かれたため、下の写真が会期中ご覧いただける作品となります。

碁盤の形の蓋物で、蓋裏には宇宙が描かれているのですが、
棋士が何手も先を読んで競う様を「頭の中の宇宙」と表現しているそうです
真ん中の点は北極星、四方位とあわせて五行となっています。
この「宇宙」、先述したとおり陰陽五行思想が反映されており、若宮先生が好んでほかの作品でも使われています。
縁起もの・しきたりには必ず理由があることを後世にも残し、伝えていきたいとおっしゃっていました。





「龍砥ぎ出し蒔絵 陳容図引用」
陳容の龍は、ユーモラスな表情が特徴で、日本美術のほとんどが影響を受けているといわれます。
こちらの盃は自立するんです!(皿立て付属です)
普段は縁起を担いだ飾りとして、お祝いのお席には盃として、いかがでしょうか~♪



「郷愁」
カブトムシの彫刻漆器です。
なんと、角が上下に動かんです!!


羽と頭部は漆の質感が異なり、本物さながら羽部分は艶の無いマットな仕上がりになっています。
一方で目だけはキラキラとしていて、可愛らしさも♥️
羽部分を蓋として、蓋裏側には星空を、ニュージーランド産のアワビで表現しています。チラチラと控えめなきらめきはこの産地でしか表現できないそうです。
お腹の部分には川合玉堂の作品を基に、若宮先生が幼少期に過ごした田舎で味わった幸福感を込められています。
田舎で過ごしながら農業から得たものとして、圧倒的な力を持つ自然と人の共生は、ある種の「諦め」を求められていると捉えるようになったそうです。自らを穏やかに保つスキルの一つとして、自分以外のソトに関することに寛容になることこそ、現代に必要なのではないか…今を生きる私たちに作品を通じて語りかけていらっしゃいます。



「宝尽くし天正大判蒔絵 内:盃五節供蒔絵」
宝珠の形は、手に取ると世界の中心になる、願いが何でも叶う、といわれています。
表に描かれているのは大判の他に軍配、小槌。
軍配は「風を大きく作用するもの」であり、ひいては天候、農作物の出来をも変える力のあるもの。相撲で登場するのは、神事すなわち神への祈りであることが由来です。
身の内側には、蓮に鮎が。若冲の「動植綵絵蓮池遊漁図」より、一匹だけヤマメが紛れているという若冲ならではのお茶目さも取り入れています。ぜひ、探してみてください(^ー^)☆




「桃太郎鬼退治蒔絵」
作品のテーマはズバリ!コロナ退散!
ところで、なぜ桃太郎が連れていくのが猿雉犬なのか?ご存知でしょうか。
鬼は鬼門、東側2時の方角、季節でいえば大寒のころを指します。
三つの動物は、8,9,10時の方角、西側の三つで
鬼を退治してお宝を取り戻す=不作の冬を越える→春が来る!
このストーリーにも生活に根ざした陰陽思想と風水が!



「鯖は足がめちゃ速い?」
飛脚のように速く走る三本足の半魚人を蒔絵で描いています。
人生も、鮮度が大切。これからの人生で今が一番若い!今を考え、真剣に生きましょう、というメッセージが込められています。
運動音痴の美ビギナー、三本もあったら絡まってこけそう、なんてフフっとしちゃいましたが!
鯖の目は必死!ひんむいている!!!
ちなみに履いているスニーカー…某ピンクのアレです。
色だけで速いアレを連想させるブランド力、早速取り入れる若宮先生のアンテナの成せる逸品ですね。



「仙子漁者図 黄慎筆引用」
揚州八怪のひとり、「仙子漁者図」を彫りと漆絵で表現しています。
つい最近、大阪市立美術館では50数年ぶりに揚州八怪展開催していました!
右上には、「籠の魚は酒代に変え~」と書かれており、若宮先生はこのフレーズがお気に入りだそうです。

おじいさんのうれしそうな口元…ほっこりを超えてニヤリ。笑



「温め鳥 小原古邨図引用」
温め鳥は、鷹が小鳥を捕まえて寒い夜に暖をとることを言います。
翌朝小鳥を逃がし、飛んで行った方向には狩りをしないそうです。
先人たちの観察眼の鋭さに加え、それを題材に昇華させるの力量が素晴らしいです。
小原古邨は、国内では最近まであまり知名度が高くありませんが、海外での人気が高いんです。


「大黒様のお使い」
小黒アリサさんとのコラボレーション作品です。
小黒先生といえば、球獣。
ころんとした愛らしいネズミは大黒様のお使いです。
打ち出の小槌や小判のアクセサリー、ネイルや指輪まで、おしゃれさんです♪



そのほか、あっと驚く洒落の効いた作品を展開しております。

一部の作品しかご紹介できておりませんが、
髙島屋大阪店美術画廊の公式インスタグラム(アクセスはこちら)では
毎週、画廊内をぐるっと撮影した動画も掲載しております!
ぜひフォローよろしくお願いいたします。





彦十蒔絵 若宮隆志
―あそび心の蒔絵展―
会期:2021年9月15日(水)~9月21日(火)
※最終日は午後4時閉場
※営業日、営業時間は変更になる場合がございます


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