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ラビット・ドラゴン・マウン展

2021.11.17
皆様、こんにちは。「Mr.ぐい呑」です。

最近は、通勤で使用する電車に人が増えてきたなぁと感じています。

これから、寒さが厳しさを増してくる中、

コロナの第6波の到来だけは避けてほしいと願う

今日この頃です。

さて、今週の髙島屋大阪店6階美術画廊では

11月10日(水)→23日(火・祝)の期間(※最終日は午後4時閉場)

ラビット・ドラゴン・マウン展を開催いたしております。

近年、数多くの優秀な工芸作家を輩出し、
注目を集めている金沢卯辰山工房。

今展では、現在工房に在籍する専門員、研修者、
または修了後、各地で活躍を続ける
若手工芸作家10名による力作を
一堂に展観いたします。

それでは早速作品の紹介に移ります。


「Jewel  Beetle  01」 豊海健太先生

告朔餼羊(こくさくのきよう)」 豊海健太先生

豊海先生といえば、磨き上げられた漆に細分化された
卵殻をのせ「物質を再構築」した精密な作品!
写真一枚目「告朔餼羊(こくさくのきよう)」は、
古代から続く習わしが形骸化し、
いよいよ廃止となるのを惜しんだ
孔子の言葉から派生した例え。
その儀式の主体となる贄としての
羊を卵殻で表しています。

今展では、新しいシリーズとして玉虫を使った
「Jewel Beetle」を出品してくださいました。
真円の漆の上に整然と並んだ美しい玉虫の羽。
チラチラ七色に光る画面から、宇宙を感じます。
この配列はフィボナッチ数列で並んでいます。
黄金比でも有名ですね!
代表的なのはひまわりの種で、
自然界ではあらゆる場面で見受けられます。

作品の前、じっと見つめると、
研ぎ澄まされた美の世界に
思考ごと吸い込まれそうになります



「光鈍肆花弁花(こうどんしかべんか)」 織田隼生先生

鍛金(たんきん)で、大小の花を組み合わせで制作された作品。
見所は槌(つち)跡と、磨きです。

写真一枚目、どれも花弁は四つ。
旧字の数字4「肆」と題されているとおり、
作品のコンセプトとして
「4」をルールに決めて制作されました。
花弁はミクロの4、制作の過程でも
花をまとめるにあたってマクロの視点で4を意識されました。

植物には、必ず規則性があります。
それは生存戦略として
進化の過程で身に付けた強固なものですが、
見るものにとっては、
それこそが美しさだと感じるのだと思います。
織田先生は、機能としての美の世界を、
無機質な金属から花の姿を借りて
生み出す取り組みをされています。

作品のタイトルには前後で意味が別れており、
最初に織田先生オリジナルの作品コンセプト、
後半は既存の植物の分類を合わせています。

作品から、タイトルを予想してみると
…より「美の根源」に迫れる気がします



「忘れじの庭 No23 -初雪の日に裏山の庭にてー」
佐々木類先生

重ねた板ガラスで植物を挟み、焼成した灰で
「植物の息づかい」を表現した作品です。
ガラスに入っている気泡は
水分が蒸発する際にできるものだそうです。

題の忘れじの庭、とは植物の視点であり、
その土地の記憶。ガラス側面の重ねた板ガラスの
段差もそのままに残し地層(=歴史)を表しています。

また、植物が白い灰の状態は
「いきものにとって、この世での最期の姿」としています。

コロナ禍で人が山に入らなくなり、
手入れの行き届かないことで
植物の生命力が増したそうです。
今ようやく明るい兆しもありますが、
行動自粛している期間は人間の無力さを見せつけられているようです…
私は、静かで偉大な自然の力を分けていただくような
気持ちで鑑賞しています。



「片鱗 ’21-1」 小山敦子先生

ガラスの溶ける姿に魅了され、
「ガラスを通して身の回りを見る」
体験を作品にされています。

私の鑑賞した最初の感想は心臓のようだなと感じました。
人体に共通点を見出だしたのは、
小山先生が有機的な部分を表現したい、
と意図していた部分と繋がっている気がします。

中の突起は、外からでは届かない。
全てが見えているのに絶対に触れられないもの。
透明なガラスにこだわるのは、
可視性を重視しているからだそうです。

世界を見つめなおす、
その媒介としてのガラスは一度目にすると忘れられない作品です。


「MIRAGE」 五月女晴佳先生


「PHANTOM」 五月女晴佳先生


プルプル、マット
漆は、磨きの有無だけでこんなに変わるんですね。

磨きももちろん大変な労力を費やす作業なのですが、
実は磨かず刷毛の跡をそのまま残す
「塗りたて」という技法の方が難しいんです。
漆の厚みをうすく均一にしないと、
微妙な色ムラなどの仕上がりに影響が大きいそうです。

なぜ唇がテーマなのかというと…
実は五月女先生、かつて百貨店の美容部員のご経験が!!
メイクは、欲望の表れであると考え、
欲望を生へのエネルギーへ昇華させる唇をテーマにされました。

唇の向こうに垣間見える金にも、質感に変化をつけております。
ぜひ会場で覗き込んでご覧ください。




「奥)秘密    手前)何度も」 白井渚先生
「コトエリ」=言選り
どんな単語が浮かびましたか?
単語次第で自らの精神状態を
省みてしまいそうな作品ですね~。

#白井渚 先生@は、カタカナの
角ばった形を主題にされています。
大小さまざまなカタカナがぎゅっと集まると、
生き物のようです。

カタカナの形の粘土を石膏から型どり、
基礎となる器に張り付け
九谷の釉薬をかける→焼成という工程を
何度も重ねて色に深みを出しています。
九谷らしい深いブルーの中に優しい赤色が入っています。

実は白井先生は普段モノクロの
シンプルな食器を制作されています。
色彩を多用するこちらの作品は
「反動ですかね、楽しいんです」と仰っていました。

黒と金色の作品「kill time」は
まさに現代を象徴するスマホ。
文字をやり取りするツールとして、
白井先生の作品とリンクしたモチーフです。
(タイトル、確かにスマホで時間を…溶かしてますね…)

カラフルで楽しい作品で、日常に彩りを。




「Vanana<棍(阿)>」 野田怜眞先生


「Vanana<勇>」 野田怜眞先生

バナナは人々の食を支えてきたことはもちろん、
東南アジアでは起源神話に登場し、神秘的な存在として
認知されてきました。

野田先生はバナナをモチーフに日本独自で発展した
脱活乾漆技法(興福寺の阿修羅像と同じ)を使用して
制作されています。

また、バナナの成り立ちからは、「上昇」や「活力」を連想させることから
成長や成功への験担ぎの象徴として鑑賞いただければ幸いですと
野田先生は仰られています。



「左)Divergence  2.02     右)Divergence  4.01」 松村淳先生


松村先生は「陶磁器の文化に、生物のシュミレーション
を当てはめる事は可能であるか。
人間の多様化した嗜好による取捨選択は複雑な外的環境だ。
今現座、私たちの構築する未来像が、
過去のSF作品によってドライヴされているように、
移ろう想像力によって、文化の突然異変は起こり得る」
と仰られています。



「左)スパイス航路 右)Jet00」 樫尾聡美先生

樫尾先生は「細胞の一つ一つを模様として捉え
生命の内側を覘いてみると、
そこには驚く程美しい装飾が潜んでいる。
故に人は装飾を見たときに、
普段は皮膚に覆い隠されて見えない
生命の内側を直観するのではないだろうか。
私達の生活にとってもはや欠かすことの出来ない人工物や
生活にとってもはや欠かすことの出来ない人工物や、
生活の中で発見する様々な形を装飾を伴い描くことで
現代の生命力を描き出したい。」
と仰られています。



「large  tree  nymph」 和田真以子先生

和田先生は
「<蒐集>というテーマで驚異の部屋をモチーフした作品です。
自然への好奇心や異国への憧れなどを元にして、
事物をコレクションするようにアートピースを作成しています。
きれいな石、動物の骨、虫の翅、元は何だったか分からないごみ、
色々なものを拾い集めては飾り、飽きたら捨てる事を繰り返していました。
今ものづくりを通してそんな記憶の断片を集めているのかもしれません。
この作品が誰かの棚を飾る蒐集物のひとつになればうれしいです。」
と仰られております。

一部の作品しかご紹介できておりませんが、
髙島屋大阪店美術画廊の公式インスタグラム(アクセスはこちら)では
毎週、画廊内をぐるっと撮影した動画も掲載しております!
ぜひフォローよろしくお願いいたします。




ラビット・ドラゴン・マウン展

会期:2021年11月10日(水)~11月23日(火・祝)
※最終日は午後4時閉場
※営業日、営業時間は変更になる場合がございます


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お問い合わせ先:06ー6631ー1101(代表)6階美術画廊

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